⊆∧ ∨∧?(livre)

読書は五十を過ぎてから。

2026年4月3日金曜日

竹村優希『神様の棲む診療所』

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一度だけ沖縄を訪れたことがある。 あるかつらメーカーのテレビコマーシャルの撮影をするためだ。ゴルフ場でふたりの男がラウンドしている。ゴルフの用具選びは難しい、できれば試し打ちなどしたい、かつらも自分に合うか合わないか試してみないとわからない。というわけで今無料試着キャンペーン実施...
2026年4月1日水曜日

瀬尾まいこ『幸福な食卓』

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もともと蕎麦が好きで、もり蕎麦をたぐって辛汁にちょいと付けるのが好みだった。寒い時期には鴨せいろ。蕎麦は冷たいがあつあつの汁をくぐらせる。デフォルトはもり蕎麦、ざる蕎麦で蕎麦屋で天ぷらを食べることはあまり多くなかった。天ざるは一部の店を除いて注文することはない。それでも少しずつ好...
2026年3月28日土曜日

喜多川泰『きみが来た場所』

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1978年に東京学芸大学に入学した。当時国公立大学は一期校、二期校があり、第一志望は一期校だったが、それは落ちた。浪人すると翌年から共通一次試験がはじまる。できればどこか合格したいなと思っていたところ、運よく受かった。 学芸大は中央線の武蔵小金井と国分寺の間にある。東京の国立大学...
2026年3月21日土曜日

中村颯希『神様の定食屋』

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学生時代にとんかつ屋でアルバイトしていた。高校の先輩の営む店である。とんかつ屋でバイトといっても華麗にキャベツを千切りにしたり、なにかひとつふたつ揚げ物を任されるなんてことはまったくなく、定食の用意ができるとご飯と味噌汁をよそる程度のことだ。後は昼の客足が引いた辺りでじゃがいもを...
2026年3月15日日曜日

神田桂一・菊池良『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』

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今も現役でがんばっている映像プロデューサーの田中遊(仮名)は新入社員の頃は細々としていたが、みるみる太ってきた。そういう体質だったのかもしれない。30代以降顕著になり、ダイエットなど考えず、呼び名を田中ブーにして「まいうー」などと言ったらどうかとすすめたこともある。要するに愛され...
2026年3月12日木曜日

畠山健二『本所おけら長屋』

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このブログには何度となく書いているが、父の実家は房総半島の白浜町乙浜である。ちなみに母は、そのお隣、千倉町白間津。ふたりが出会ったのが房州ではなく、東京の佃というのも不思議なめぐり合わせだ。 毎年、夏休みになると白浜から祖父が上京する。姉と僕を連れに来るのだ。7月末から8月はじめ...
2026年3月7日土曜日

森沢明夫『大事なことほど小声でささやく』

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今年も確定申告を終えた。 僕は会社員生活が長かったが、アルバイトもしていて(他社の仕事を手伝って収入を得ていた)50代前半まで毎年確定申告をしていた。どうでもいいような領収書を集めて経費を算出し、収入の一割強を占める源泉徴収額を減らして還付金を受け取る。毎年のことながら年が明ける...
2026年3月2日月曜日

出久根達郎『名言がいっぱい』

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彦根まで出かけた。 旅行らしい旅行をこのところほとんどしていない。せっかくだから観光らしい観光をしてみたくなった。ホテルの窓から彦根城が見える。お城が好きで日本中の城を訪ねている人も多いと聞く。これまでどれくらいのお城を見てきたか思い出してみる。鶴ヶ城、小田原城、名古屋城、大阪城...
2026年2月26日木曜日

いしかわゆき『書く習慣』

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彦根市のキャッスルロードに文豪カフェなるものができた。 キャッスルロードは彦根城の堀端から京橋を渡ったあたりからはじまる。白壁に黒格子、いぶし瓦、切妻屋根の傾斜を揃えるなど景観を大切にした町になっている。文豪カフェは京橋に近い。 もともと軽井沢にあった川端康成の別荘を解体した際の...
2026年2月21日土曜日

鷹匠裕『愚図の英断』

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今月の8日。都心でも雪が降った日に衆議院の選挙が行われた。結果は自民党の圧勝だった。 選挙戦。野党は当然のことながら、与党を批判する。衆院解散の大義は何なのかと。争点は与野党ともに物価高対策だから境目は見えにくい。若い人たちからすれば、人気の高い首相を批判するというのは悪口を言っ...
2026年2月17日火曜日

瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』

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里親という制度がある。ある事情で親、あるいは保護者と暮らせない子どもが4万人以上いるという。そのほとんどが児童養護施設で生活する(もう少し小規模で家族的なグループホームもある)が、子どもを預かって育てていいという人がいる。いわゆる里親である。里親になるにはいろいろと(年齢など)条...
2026年2月14日土曜日

島崎藤村『若菜集』

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ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが開催されている。コルティナは以前にも開催地となっている。そのときはコルチナダンペッツォという表記だったと記憶している。記憶といえばオリンピックの最初の記憶はメキシコ大会であるが、さほど印象に残っていない。道徳の授業でいつも視聴する番組の代わりに...
2026年1月30日金曜日

浅田次郎『壬生義士伝』

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幕末を舞台にした本を何冊か読んではいるが、新選組に関してはたいした興味を持てないままだった。どんな隊士がいたかと訊ねられても近藤勇、土方歳三、沖田総司、永倉新八くらいしか答えられない。一応、司馬遼太郎の『燃えよ剣』だって読んでいるのに。ここに登場する吉村貫一郎などは創作上の人物か...
2026年1月24日土曜日

高橋源一郎『「書く」って、どんなこと?』

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小学生の頃、読書ノートを書いていた。本を読み終えたら、そのあらすじや感想などを書きとめる。そんな面倒くさいことって子どもだったからできたのだろうと思う。そもそもが読書感想文は苦手だった。思ったことを書くというのはちょっと恥ずかしい気がした。 このブログをはじめて20年になる。大人...
2026年1月16日金曜日

杉並第五小学校創立七十周年記念事業実行委員会『新杉五物がたり 付荻窪物語』

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杉並区に住むようになって30数年。 西武新宿線沿線の井草に10数年、天沼に移り住んで10数年になる。井草に住んでいた頃、近隣には桃井第五小学校があり、天沼には杉並第五小学校があった。井草と天沼はさほど離れていないのにどこからが杉並でどこからが桃井なのかわからないでいた。荻窪駅の北...
2026年1月8日木曜日

原真『音と光の世紀』

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2026年を迎えた。 寒い日が続く。ついこないだまで最高気温40度に近い毎日を送っていたことが俄かに信じられない。猛暑の日々のなかでやはり地球は温暖化しているのだ思い込み、なあに冬だってたいしたことはないだろう、今年は暖冬に違いないと身体に勝手な思い込みが染みついてしまっているの...
2025年12月31日水曜日

内田樹『そのうちなんとかなるだろう』

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内田樹は昭和41年に都立日比谷高校に進学している。都の学校群制度がはじまる前の最後の年だ。単独校受験時代の日比谷は難関校だった。9科目900点満点の入試で800点以上が必要だったと先輩に聞いたことがある。それをクリアしているあたり、ものすごい秀才だったとうかがえる。しかも中退して...
2025年12月27日土曜日

遠藤正敬『戸籍の日本史』

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7月に母が亡くなり、相続の手続きを行った。なによりも欠かせないのが戸籍謄本である。出生から死亡までの連続した戸籍が必要になる。12年前父が死んだ時も戸籍を本籍地から取り寄せ、手続きをしている。今では最寄りの区民事務所で請求すれば取り寄せてくれる。 ところで戸籍って何なんだろう。住...
2025年12月23日火曜日

若松英輔『考える教室 大人のための哲学入門』

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読みたい本と読まなければいけない本があった。 読まなければいけない本というのは仕事に必要な本でここ何年かで言えば、福祉関連、社会的擁護や認知症普及啓発に関する本が多かった。仕事はまだ続けるつもりだが、読まなければいけない本はそのうち減ってくるだろう。 学生時代、読みたい本は大概小...
2025年12月19日金曜日

林芙美子『愉快なる地図』

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中島みゆきの楽曲はときどき聴く。なかでも好きなのは「旅人のうた」である。 男には男のふるさとがあるという 女には女のふるさとがあるという なにも持たないのは さすらう者ばかり どこへ帰るのかも わからない者ばかり こんな歌い出しである。 都会で出会った男と女もそれぞれ生まれ故郷が...
2025年12月10日水曜日

若松英輔『はじめての利他学』

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さすがに12月になって寒気に覆われるようになった。北海道、東北と日本海側は雪の降る日が多くなった。この時期雪が多いのは日本海の海水温がまだ高く、雪雲がつくられやすいということらしい。 そんななかわが家の給湯器が不調をきわめている。2年ほど前から使っている途中でお湯が出なくなること...
2025年11月30日日曜日

俵万智『生きる言葉』

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30年前のこと。 福井県のPR動画を制作した。県内の風景を織りまぜながら、海辺の道を歩く学校帰りの女子高生を撮った。海を見渡す小高い丘に一輪の水仙が咲いている。女子高生のひとりがその花を見つめる。だいたいそんな構成だった。ナレーションらしいナレーションはなく、「海鳴りに耳を澄まし...
2025年11月21日金曜日

永井沙耶子『木挽町のあだ討ち』

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関東大震災後の1930(昭和5)年、銀座は一丁目から八丁目まで区画整理がなされた。当時の銀座は西五番街通りから三十軒堀川までで西側には銀座西、東には木挽町という町があった。この区画整理によって尾張町や元数寄屋町といった古い町名が消えた。 戦後GHQの指導で瓦礫処理のため三十軒堀川...
2025年11月14日金曜日

半藤一利『それからの海舟』

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先月軽井沢を訪れた。 カフェ・ギャラリー軽井沢はなれ山クラブで開催していた長野四人展、長野五人展という展示を見に行ったのである。軽井沢を中心とした県内の画家が思い思いに描いた作品が並ぶ。一昨年、昨年と前期後期にわけて長野四人展を開催していたが、今年はメンバーがひとり増え、四人展と...
2025年11月12日水曜日

木村銀治郎『大相撲と鉄道』

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ずいぶん 昔の話だが、仕事で名古屋に向かうとき、今日の新幹線はやけに混んでるいるなと思ったことがある。名古屋に着いてその理由がわかった。とある企業の団体客が多く乗っていて大挙して名古屋駅で降りたのである。そのとき東京ドームで都市対抗野球が開催されていて、その前日名古屋市の企...
2025年10月31日金曜日

九代伊勢ヶ濱正也『大相撲名伯楽の極意』

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熱海富士という力士がいる。巨体を活かし、左上手を取ると強さを発揮する。勝って花道を引き上げるときはうれしさをかみ殺せないような表情を見せ、負けたときは悔しさを隠しきれない。その微妙な表情が見ていて楽しい。 熱海富士という四股名は元横綱旭富士の先代伊勢ヶ濱親方(現宮城野親方)が付け...
2025年10月21日火曜日

伊藤 亜紗(編著) 中島 岳志 若松 英輔 國分 功一郎 磯崎 憲一郎 『「利他」とは何か』

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今月から実家の片付けをはじめている。母が病のためこの家を離れてもうすぐ6年になろうとしている。その間片付けようなんてこれっぽちっちも思わなかった。理由あって施設で生活している、それなりに頑張って生きている。それでも母の生活はまだこの家にあるとずっと思ってきた。いつかは必ずここに戻...
2025年10月16日木曜日

杉山邦博・荒井太郎『杉山アナのアンチ巨人、大鵬、卵焼き』

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南房総の母の実家には漫画がたくさんあった。漫画といっても雑誌や単行本ではなく、雑誌(おそらくは少年倶楽部だと思うが)の別冊付録だ。新書くらいの大きさで100ページもない。一時間もあればじゅうぶん読み切れる。その別冊付録が何百冊とあった。母と8歳違いの叔父のものである。そのなかから...
2025年10月9日木曜日

中島岳志『思いがけず利他』

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文七元結という噺がある。腕のいい左官職人の長兵衛が賭事に身をやつして無一文になってしまう。それでも援助してくれる人がいて再起するための50両を貸してくれる。その帰り途、本所吾妻橋に身を投げようとしている奉公人らしき若者にばったり。何とか踏みとどませる。聞けば集金してきた50両をど...
2025年9月30日火曜日

獅子文六『但馬太郎治伝』

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久しぶりに獅子文六を読む。 この本を読むまで知らなかったが、かつた近江出身の薩摩治郎兵衛という商人がいた。治郎兵衛は盆暮れの休みは読み書きの稽古に励み、給金もほとんど主人に預け、とにもかくにも仕事ひと筋。幕末に日本橋に薩摩屋を興す。一代で巨万の富を得た治郎兵衛の孫が薩摩治郎八。オ...
2025年9月25日木曜日

半藤一利『幕末史』

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昭和100年ということで今年は昭和に関する本を多く読んだ。そろそろ飽きてきたので少し時代を遡ろうと思う。というわけで幕末史。 学生時代からきちんと日本史を学んだ覚えがない。歴史の本を読むこともあまりなかった。とりわけ幕末から明治維新にかけてはランダムに並べられた事件を順番通りに並...
2025年9月18日木曜日

島崎藤村『嵐』

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従兄がアメリカに住んでいる。もう30年になるだろうか。 母は5人姉妹の四女だった(他に兄と弟がいた)。従兄は長姉の次男にあたる。伯母と母は11歳離れているが、どこがどうというわけではないが雰囲気が似ていた。そういうわけでもないだろうが、従兄はずいぶんと母を慕ってくれた。10年前く...
2025年9月9日火曜日

宗像誠也『教育行政学序説』

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9月になっても暑さは収まるところを知らない。連日35℃を超える、あるいは迫る毎日である。せめて朝晩だけでも凌ぎやすくなってくれたらいいのにと思うが、夜遅くなっても申し訳程度に気温が下がるだけである。熱帯夜が続いている。 大学に進んで、少しは本でも読まなきゃなと思っていた。主に読み...
2025年8月29日金曜日

半藤一利『歴史と戦争』

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先日、知人に招かれて軽井沢を訪れた。東京駅で新幹線に乗り込むときと軽井沢駅に着いて降りたときとはあきらかに空気が変わっていた。昼近く、気温はおそらく30℃を超えていたかもしれないが、不快な暑さではない。多くの人が避暑にやってくるのもむべなるかなである。 翌日はやくも帰京するため駅...
2025年8月23日土曜日

ゴジキ『データで読む甲子園の怪物たち』

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全国高等学校野球選手権(夏の甲子園)は沖縄県代表の沖縄尚学が西東京代表日大三を決勝で破って初優勝した。 ここ何年か猛暑のせいもあり、高校野球は批判の矢面に立たされる。ひとつは炎天下での熱中症の懸念であったり、ひとりの投手が投球数100を超える負荷の大きさだったりする。五回終了時の...
2025年8月17日日曜日

半藤一利『遠い島ガダルカナル』

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8月になると戦争関連の本を読もう気持ちになる。ましてや今年は昭和100年、戦後80年という節目の年だからその思いは強い。去年は8月になって大岡昇平『レイテ戦記』を読みはじめた。月内で読み終えることができず、結局11月までかけて読んだ。戦記を読むのはそう簡単ではないのである。 今年...
2025年8月5日火曜日

古谷経衡『激戦地を歩く レイテ、マニラ、インパール 激戦の記憶』

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大叔父がフィリピンで戦死している。戸籍には「昭和弍十年六月参十日フィリピンルソン島アリタオ東方十粁ビノンにて戦死」と記されている。ビノンというのはどんな地域なのか、大叔父はどのようにして戦死に至ったのか。 レイテ島の戦いが終わり、連合国軍はルソン島を攻める。レイテ戦に大きな戦力を...
2025年7月30日水曜日

半藤一利『ノモンハンの夏』

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中学の時、社会科にSというお爺さんみたいな先生がいた。社会の先生はふたりいて僕のクラスはOという女性が担当していた。S先生の授業は受けていない。あるとき、同級の誰かがSって、ノモンハン事件の現場にいたらしいぜと言う。長年教師をしていたからそんな述懐もあるだろう。でも僕はそのときは...
2025年7月20日日曜日

古谷経衡『敗軍の名将 インパール・沖縄・特攻』

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母が亡くなった。90年の生涯だった。 6年前脳疾患で倒れ、後遺症で不自由な身になったが、それでもがんばって生きてくれた。僕は小さい頃、泣き虫で意気地なしだった。外に遊びに行くと十中八九、泣いて帰ってきた。私が死んだらこの子が泣くだろうと思って母はがんばって生きてくれたのかもしれな...
2025年7月14日月曜日

吉村昭『吉村昭自選作品集第1巻 少女架刑・星への旅』

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同業で同い歳のTさんが本を送ってくれた。御岳父の遺品であるという。 同業というのはテレビコマーシャルなどの企画や演出をする仕事で広告会社に在籍し企画やプレゼンテーションを主にしていた僕と異なり、Tさんは大学卒業後制作会社に入り、制作進行という現場の仕切りからキャリアをスタートさせ...
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テレビコマーシャルとか、映像コンテンツの企画、そんな仕事をしていました。人生に必要な知恵はすべて母校のバレーコートから学びました。最近は砂場、まつや、よし田で学ぶことが多いです。
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